青蓮寺アートコレクション

サガキケイタ 《怒涛図 男浪・女浪》 2016年作 ペン、紙、木製パネル 100×100cm(2点組)

Keita Sagaki

サガキケイタ氏は、1984年石川県生まれの現代美術家です。サガキ氏の作品は誰もが一度は見たことがあるような良く知られた世界中の名画を下敷きにしています。遠くで見るといわゆる「名画」ですが、近付いてみると無数のキャラクターのドローイングが集まっていることがわかります。幼少期、曼荼羅にインスピレーションを受けたことをきっかけに、混沌としながらも救いのある世界を自身の作品の中に生み出そうとしています。近年は、日本のみならず、ドイツや香港でも個展をするなど活動の幅を広げています。

《怒涛図 男浪・女浪》の元になった作品は、江戸時代を代表する絵師・北斎が1840年代半ばに制作した天井絵です。長寿だった北斎が80歳代に長野県信州小布施に訪れ、同地で制作しました。《男浪》は勇猛、《女波》は抱擁力のある構図で、最晩年の北斎の代表作として知られています。サガキ氏はこの北斎の傑作をモチーフに、キャラクターをびっしりと描くことで自身のオリジナル作品へと昇華しました。躍動する波の飛沫のように、キャラクターが画面一杯に溢れる様は生命の躍動を感じさせます。

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